102 田島貴男が好き

(↓の続きです)

yanakyo.hatenablog.com

 

ライブ『Love Jam Vol.4』の感動で「田島貴男が好き」が溢れてしまったので書いた記事(後編)

 

3.田島貴男が好き。「接吻の人」と思ってちゃ勿体無いからマジで聞きなって!!!!!

 僕は田島貴男が大好きで、オリジナルラブのアルバムは本当にitunesがすり減るほど聞いた。

 

 「田島貴男」とあえて敬称略なのは、あまりにも自分の中でスター・アイドル・心の師的な存在過ぎて、もはや田島貴男さんとは呼べないからだ。

 長嶋茂雄本田圭佑は国民的スターすぎて、さん付けよりフルネームで呼ばれることが多いだろう。マイケル・ジャクソンを、”ジャクソンさん”とは言わないだろう。

そのぐらい、(俺国の中で)国民的大スターなのだ。

 

 特に好きな所は「アルバムごとの音楽性の変化の面白さ」と、「変化しながらも「ポップス」「歌」にこだわって、そこに着地する美学」だ。

(念の為最初に、現在28歳で、オリジナルラブのリリースをリアルタイムで追い始めたのは、2011年の『白熱』からであることを記しておく。)

 

 初期の”渋谷系”と称されることもあった、ジャズやソウルに影響を受けた作品群。(それでも1stアルバムからXTC的な奇妙さ・万華鏡感は元々あった)

 そこから脱するように、Desireあたりから徐々に実験的になっていき、イレブングラフィティ・Lと、実験性を拡大させていき、ビッグクランチで完成する超実験期。

 その後も、ブルースからの影響、全編宅録、80’sを派手にリバイバル…などを経て現在に至る。このディスコグラフィの鮮やかさと、遍歴を味わう度に痺れてしまう。

 

 その中でも一番好きで、”田島貴男的美学”が顕著に現れていると思うのが、2000年の『ビッグクランチ』である。

これはDesireあたりから始まったオリジナルラブの実験性」の極北になったアルバムで、

1曲目冒頭のヒッチコック的不協和音のストリングスのフレーズから、サビのメロディにホールトーン(全音音階)を大胆にあしらった『地球独楽』、変拍子ポリリズムドラムンベースな全編実験性に満ちている。

 

 そして何よりすごいのは、これらの実験的要素を「Aメロ・Bメロ・サビ」という「歌モノ」「ポップス」に着地させ、その枠の中で成立させているということだ。

ここに、田島貴男の「美学」「ポップスに対してのこだわり」がある。

 

 やりたい放題にアバンギャルド・ローファイ・アングラにするなら、結構誰でも出来ると思う。

それを、あえて歌モノに対するこだわり・美学から来る、ある種の制約・自縛の中で実現していることが、より深く高邁な芸術性を感じる!!!!深みがありながらも、(広義の)ポップスとして聞ける。そこが大好きだ!!!!!!!!

 

 このビッグクランチに対する感覚は、自分の中の「カッコいい」「面白い」「素敵」「粋」とかの一つの価値尺度基準になっている。

そして、僕が抱いていた感覚は、田島貴男の著書『ポップスの作り方』の中の「ジョンよりポールのほうが(ポップに拘った点で)実は音楽的に高度なことをやっている」という一節によって、援用される形になった。やっぱりそういう美学の元にやっていたんだ…と感動した。

 

 高校生の時に、ベタに『The Very Best Of Original Love』から聞き、いわゆる「オシャレな音楽」としてオリジナルラブを聞いていた10代。

アルバムを順に辿り、21歳のときに、ビッグクランチにブチ当たった時の衝撃は今でも覚えている。とにかく刺激的な音楽を求めていたし、ポップなものが好きだった僕にはド真ん中の新感覚で、心を撃ち抜かれた!!!!!

 

 同世代にも、上の世代にも、オリジナルラブ?接吻の人でしょ?」という人が多いが、それじゃ本当に勿体無いって!!!!!笑

音楽好きこそ、いわゆる「オシャレなオリジナルラブ」を聞いてから、Desire~ビッグクランチの実験期を聞いてほしい。感動と衝撃がそこには待っている!!!!

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 そして、2015年にリリースされた『ラヴァーマン』は、紆余曲折を経てポップに帰ってきた”ポップの巨人”という風格があってこれまた大好きだ。

実験期を経ないと出なかったであろう深みもそこかしこにあって、ポップスの荒野(あえて自分で獣道を選んでるのも含め)を歩いてきた田島貴男の孤高の姿が目に浮かぶ。

 

 ニューアルバムの曲は更に、その”紆余曲折を経たポップの巨人”感が培養されて、新境地・前人未到の領域に行っているような気がする…今から楽しみだ。

 

4.2018年6月、”Wake Up Challenge Tour”の感動

 2018年6月、札幌でオリジナルラブの『Wake Up Challenge Tour』、バンドセットのライブを見た。

 

 フェスなどで、弾き語りスタイルの田島貴男は何度か見ていたが、バンドセットでライブを見たのは2015年の『Love Jam Vol.1』以来だった。(この時のceroとペトロールズもめちゃくちゃよかったな~)

 

 このライブは、「去年見た・聞いたもので感動したものBest10」に入るぐらい感動した。

 

 オープニングこそ、初期からの名曲「It’s Wonderful World」だったが、それ以降は

  • 近年3枚のアルバム『白熱』『エレクトリックセクシー』『ラヴァーマン』中心の選曲。
  • この3枚のアルバムをサブスクリプション配信するために、動きまくったことのお知らせ
  • オリジナルラブは最近の曲が一番良いんです!!」言い放つ

 といった”現役感”がめちゃくちゃカッコよかった。

 

 更に、このライブでも、まだ曲名も決まっていない曲(!)含めて、新曲を3曲もやったりしていた。

 そして、繰り返しになるが、その全てがめちゃくちゃ良い曲。10代の人が作ったような野心と冒険性に満ちていて、肉体感もあり、かつ頭脳でもめちゃくちゃ考えて作ったんだろうなというバランスが素晴らしい…という印象だった。

 

 加えて、田島貴男氏は数年前からジャズギターの教室に通っており、以前では考えられないぐらいギターソロパートがめちゃくちゃ多かった。

2015年にLove Jam Vol.1を見たときは、たしか、教室に通い始めたばかりで、(本当に失礼ながら)危うい場面がいくつかあるように聞こえた。

それから3年経ち、コツコツやった成果によってギターソロはウットリするほどめちゃくちゃ上手になっていた!!(プロにこれも失礼かもしれないですが、あえて言わせてください!!)

 

 年齢をネックとして「~歳から~やっても無理だよ」とか、「~歳だからもう~出来ないわ」という常套句を言う人がいる。

けれど、田島貴男は50歳から始めたジャズギターを、54歳にしてここまで上達させている!

 

 「何かを始めるのに遅すぎることはない」と、これも常套句的に言われるが、田島貴男の、何歳でも色んなことに興味を持って・感動して、何事にもチャレンジする姿勢。そして、その結実としての近年のジャズギターのウデマエを見ると、こちらの常套句の方を信じたいと思った。

 

 その他、踊って歌って汗かいて、ゼーハーしながら誰よりも楽しむ姿勢。そこまでしなくても…と思うレベル。笑いが起こったりする。大人気なさすぎて最高だった!!!

 

 2曲目に、『エレクトリックセクシー』に入っている「線と線」という曲が演奏された。

 この曲は、人と人の距離感を「線」に例え、そんな線を越えて、ぎこちなくてもおしゃべりしよう・楽しもうとメッセージする曲なのだが、

それを歌う田島貴男こそが、「シャイにならずに一緒に楽しもう!!」とばかりにバンバンと客を煽る姿…「線を越える」ことをライブで体現している様に本当に感動した!!!!

 

 そんな、

 ・肉体感とメッセージにあふれる「パフォーマンス」

 ・新曲や近年の曲に対する展開を積極的に行う「現役感」

 ・最初は上手く出来なくても、時間をかけて練習したジャズギターを披露する「挑戦者としての佇まい」

 にとにかく感動して打ちのめされた。(それだけではなくお馴染みの名曲が聴けたのも良かった)

 

 まさに、『Wake Up Challenge Tour』だなあ…と大満足だったし、昨日のLove Jamでの新曲『ゼロセット』の「最後まで攻めよう」という歌詞に説得力がありまくり。田島貴男、やっぱカッコいいなー!!」とシビレたのだった。

 

 そして、『Wake Up Challenge Tour』で受けた感動から、僕も小さな挑戦として、毎週オリジナルのCM曲を公開したり、ラジオを始めたり、ブログでエッセイを100日連続更新したりしている。

 田島貴男の姿勢にあこがれて、小さいながら僕の行動も変わった。本当に僕にとってスターです!!!!!!

Original Loveみたいなことは出来ないけど、自分なりに出来ることがあるのではないか、最初は上手く行かなくてもいつか田島貴男のジャズギターのように、上手く出来ることがあるのではないか、と思って日々楽しみながらやっています。

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 田島貴男、本当にありがとう!!!!!!!!!(あまりに敬称略しすぎて怒られそう)

もとい、田島さん!!!!もとい、田島さん!!!!!!!!!