079 絵が下手、だけど書くのは好き

『写真多めでご紹介』

 

1.

 絵がめちゃくちゃ下手である。それはもう、大人の絵は思えないぐらい。

もはや絵心がある・なしではない、絵心を司る機関が、自分の脳からすっかり抜け落ちているのではないか、というぐらいに絵が描けない。

 

 絵が下手な人には共感してもらえるかもしれないが、ときどき絵を描こうとして、いざ白紙の前に座ると、何も浮かんでこない。

イメージはあっても、それをどう立体的に描けばいいのか、一切わからない。いざ描き始めるともちろんイメージと違う、でもそのまま描ききってしまう。

結局全くイメージ通りじゃない訳のわからない絵が出来上がって、人に何か伝えられないままに終わってしまう。

 

 昔は「下手だな~と笑いになるからいいか」とこの絵の下手さをそのままにしていたが、

 最近になって、人に何か伝える時にササッと絵で描くことが出来ないことがもどかしかったり、それこそブログなどで説明がわかりにくい部分に対してイラストを描けたら楽しいと思うし、くどくど言葉で説明するよりも伝わるのでは、など「絵が描ければな…」と思う場面が増えてきた。

 

 全く絵が描けないから、言葉や文章で表現できるように試行錯誤したり、作曲を始めたりしたのだが、それでも、どうしてもイラストが必要になる場面に直面して、悪戦苦闘している。

 

2.

 と、早速言葉でくどくど説明してしまったのだが、実際に自分の描いた絵を見てもらったほうが早い。

下手なので年間何回も絵を描かないのだが、この前昔の写真を整理していたら、5年前に友達と3人で、暇な日に、お題でお絵かきをしたときのものが出てきたので載せてみる。

 

参加者は友人のショウタンコフ(女性)、安藤さん(男性)、自分の三人だった。

 

お題:『ピカチュウ

1枚目、ショウタンコフ 

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2枚目、安藤さん 

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3枚目、やなせ

 

 

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他の二人はしっぽなどの特徴を捉えていて、ピカチュウと伝わると思う。

俺のやつはしっぽという最大の特徴を無視して、顔のアップで、なぜか怯えた笑みを浮かべている。親に七五三で無理やり写真館連れてこられた子か!!

”正面を向いた顔”しか描けないのが、絵が下手な人の特徴である。

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お題:『ガチャピン

左上、ショウタンコフ 右上、安藤さん 下、やなせ

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安藤さんのやつが異常に上手い。全身像まで描けている。

俺のやつは、ガロ系の漫画に出てくるチンピラみたいな顔をしている。

つげ義春が手抜きで描いた背景の人みたいになっている。どっちかっていうと、つげ忠男のほうかも。そしてこれも顔のアップだった。

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お題:『マリオ』

左上、ショウタンコフ 右上、安藤さん 下、やなせ

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 これまた安藤さんのやつが異常に上手い。ショウのやつも全身像で何とか特徴を捉えようとしている。

俺のやつはやっぱり顔のアップで、黒目と白目の強弱が極端にしかつけられない。そして、鼻などに特徴を出そうとすると、真横向きにするしか出来ない。

それでいて口とかは正面向いているこの構図!!キュビズムが聞いたら泣くぜ

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お題:『名探偵コナン

左上、ショウタンコフ 右上、安藤さん 下、やなせ

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 ショウがコナンガチ勢で山口勝平大好きの実力を発揮して、制服までちゃんと書いている。

安藤さんのやつはどう見ても水島新司マンガにしか見えない。『ドカベン名探偵編』でお目にかかりたい。

そして、俺のやつは、コナンの笑顔の朗らかさを出そうとしたのだが、残念ながら目がくっちゃくちゃになってしまった。前髪の躍動感を出そうとしたけど、これもアホ毛にしかならなかった。

加えて、前髪をこのように躍動させようとすると「頭皮についている髪のゾーン+追加のAdd毛」という描き方しか出来ない!!!一緒に飲んでたらキュビズムが一次会で帰るぜ

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お題:『サザエさん

最後は自分のやつだけです。

 

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 これも顔のアップになっている。そして、ここまでの特徴として、全部アップで全面に大きく描くことしか出来ない。絵が下手だけど、描くこと自体は好きだから主張だけは強いのかな。

改めて、一切立体的に描けないなあ。おてんばなサザエさんとは対照的に、昭和の超子だくさんな肝っ玉母さん的な風情になっている。子どもたちに吸われまくって、乳輪がめちゃくちゃ黒くてデカそう。

 

3.

 これらの写真から、絵が下手なのがわかってもらえただろうか。

 このように、「下手な絵が、実際に下手ということ」にしても、文章で説明するより、写真やイラストがあったほうがわかりやすい。

「言葉の優位性」に助けられる場面も、あることにはあるが、だいたいの場面で「百聞は一見にしかず」が当てはまると思う。

 

 映画などで、真っ白で大きなキャンパスに向かう画家のシーンとか、大きな半紙に向かって書道をするシーンなど(後者は映画であまりないけど。CMとかでも)を見ると「いいな~あんな風に真っ白なところにいきなり向かってバッと描けたら気持ちいいだろうな~」と思う。

普段、文章を描いたり、音楽制作で、大体はパソコンに向かっているが、時々そのようにあまりやらない活動をするとかなり頭が活性化すると思うし、気持ちが躍るだろうな~と想像している。

 

 今からでも絵を何とか、人に伝わるレベルに出来たらな~と考えているが、あまりに下手なので何から手をつけたらいいかわからない。

こういうことから始めるといいよ、があれば教えてください。

あるいはやっぱこの下手な絵がいいよ、と言う意見があれば結局そのままにしておこうかな…笑

 

 画家が最後には子供のような絵を目指す、という話を何人か画家の逸話で聞いたことがあるけど、当たり前ながら最初から子供の絵から進化していないのと、色々経由して子供の絵に戻ってくるのではぜんぜん違う。

それもわかった上で、この手付かずの「子供の絵」をどうすればいいか、ときどきぼんやりと考えている。